井戸診断システム(井戸孔内調査)
Borhole Docter System
ボアホールドクターシステム
検層とは孔井周辺の地層の物理的性質を、深さ方向に対して連続的に記録する技術です。測定対象によって、電気検層・温度検層・電導度検層・放射能検層・音波検層・フローメータ検層等があります。また、近年の技術革新によりテレビカメラ(ボアホールカメラ)による孔内撮影も可能になりました。
これらの検層機器およびボアホールカメラを含めた撮影・収録機材を、特殊改良したトラックに搭載することにより、速やかに現場作業を実施できるようにしました。全ての記録をリアルタイムに見ることができるので現場において孔内状況を把握することができます。これらの最新機材を駆使することにより、井戸における様々な障害の原因箇所を見つけ出し、適切な対策を講じることが可能となりました。
ボアホールカメラを胃カメラに対応させると、この調査の流れは井戸の健康診断ということができます。当社では、この調査の流れを『ボアホールドクターシステム』と称してサービスを行っております。ボアホールドクターシステムでは、ボアホールカメラおよびプローブといわれる数種の検層用センサーをケーブルに繋いで孔内に降ろして井戸の内部状況を調査します。
▲検層車の外観
弊社では、既設井戸における様々な障害を診断するためのツールスと、新規井戸掘削の仕上げ時に帯水層や亀裂・破砕帯などの位置を把握するためのツールスをとり揃えています。
既設井戸の診断
水井戸の揚水量減少、水位低下や温泉の泉温低下、湯量低下などの井戸障害の多くは井戸そのものに原因があります。例えば、揚水量減少の原因の多くはスクリーン(取水口)にスケールが付着し、目詰まりすることによる開口率の低下です。長期にわたって使用されている井戸では、このような障害が発生する可能性が高くなります。
既設井戸では次のようなプローブ(測定器)を用いて、ケーシングの破損箇所(漏水箇所)、ケーシング外側のセメントの効き具合、スクリーンの目詰まり状況、湧水位置、井戸構造などの情報を取得します。これらの情報から温泉であれば泉温低下の原因など、水井戸であれば揚水量・水位の低下原因などが推定できます。
- ・ボアホールカメラ(孔内水の状況によっては、静水注入が必要)
- ・温度・電導度・自然放射能プローブ(要孔内水)
- ・フローメータプローブ(要孔内水)
- ・3アームキャリパープローブ(孔径検層)
- ・採水サンプラープローブ
- ・フルウェーブソニックプローブ(セメントボンドログ)
ボアホールカメラによる孔内撮影例
▲目詰まりしていないスクリーン(下視)
▲目詰まりしていないスクリーン(側視)
▲目詰まりが進行したスクリーン(下視)
▲目詰まりが進行したスクリーン(側視)
▲ケーシング管破損部(側視)
▲スクリーン破損部(側視)
▲地下表1100m付近の岩盤の亀裂(側視)
▲被圧した地下水の流入(側視)
新規井戸の仕上げ
新規に水井戸や温泉を掘削する際、次のようなプローブを用いて、地層の区分、帯水層の位置、亀裂・破砕帯位置などの情報を取得します。
これらの情報から最適なスクリーン挿入位置や遮水位置などを決定することができます。
- ・温度・電気・自然放射能プローブ
- ・温度・電導度・自然放射能プローブ(泥水比抵抗検層)
- ・フルウェーブソニックプローブ
- ・3アームキャリパープローブ(孔径検層)
その他、検層によって得られる情報と対応する検層種目をまとめると次のようになります。