接地調査
Grounding Work Design
接地調査(調査・設計)
接地抵抗は地盤の電気抵抗(電気の流れにくさ)に依存するため、接地がとりやすい場所かどうかを把握するには現地での測定が必要です。
地盤への電気の流れにくさは大地抵抗率(比抵抗とも言う、単位Ω・m)で表され、値が大きいと電気は流れにくく、小さいと電気は流れやすくなります。
地下水源調査では、砂礫などは大地抵抗率が大きく、粘土では小さいという性質を使って水をとおしやすい砂礫の層を探します。接地調査でも同様の方法を使って調査しますが、地下水源調査と違って、粘土の方が大地抵抗率が小さく、接地抵抗が下がりやすいので接地をとるには有利です。
大地抵抗率は地層の種類や状態によって異なるため、地層の分布が複雑な日本では地域によって大きな差があります。
地質と大地抵抗率には次表に示すような関係があります。
地質と大地抵抗率との一般的な関連
地質 | 大地抵抗率(Ωm) | |
---|---|---|
乾燥状態 | 湿潤状態 | |
礫 | 1,000~15,000 | 200~10,000 |
砂礫 | 1,000~7,000 | 200~5,000 |
砂 | 300~7,000 | 100~700 |
礫岩 | 300~1,800 | 100~500 |
砂岩 | 200~2,500 | 100~500 |
ローム | 500~5,000 | 100~1,000 |
凝灰岩 | 100~1,000 | |
シルト | 100以下 | |
粘土 | 100以下 | |
泥灰岩 | 100以下~ | |
頁岩 | 約100以下 |
出典:志村馨(1965)「電気探査法」
接地調査では電気探査(比抵抗法)のうち垂直探査を用いて深部の大地抵抗率を求めます。
垂直探査は下図のように2本の電流電極と2本の電位電極を用いる4電極法の電極配置にはいくつかのバリエーションがありますが、接地調査ではウェンナー法およびシュランベルジャー法が用いられます。これらの方法では外部の電流電極を広げることでより深部までを含む見掛大地抵抗率が得られます。
現地で測定した見掛比抵抗データをパソコンで解析することにより地下の大地抵抗率(真の大地抵抗率)の構造が明らかになります。
▲大地抵抗率測定概念図
▲ウエンナー法による測定状況